ニュースリリース

12月9日外人記者クラブにて名誉総領事就任式を開催いたしました。

昨年12月、東京有楽町の外人記者クラブで催された就任パーティでは各国大使や領事の方々をはじめ、政治家や企業経営者の皆様など沢山の方がご出席されました。

徳田名誉総領事の就任挨拶をお届けいたします。


皆様、今日はご多忙の中、お出かけくださいましてまことにありがとうございました。
今年4月にブータン王国の名誉総領事のお役を拝命いたしました。大変名誉なことと、ありがたく存じますと同時に、その責務も大きく、私一人の力ではとうてい務まるものではないと、身の引き締まる思いです。

幸いなことにブータン首相顧問のペマギャルポ教授や辻名誉領事、永田名誉領事、観光大使の日比野教授ブータン友好協会の森様渡辺森が居てくださり皆様にご指導ご支援をいただくことができる恵まれた環境にもございますので、微力ではありますが日本とブータンの更なる友好関係向上のため努めてまいりたいと願っております。

ブータン王国は、皆様ご存知のとおり、先の第4代国王陛下が、70年代にGNH(グロスナショナルハピネス)という国としての理念を全世界に知らしめたことでも更に脚光を浴びるようになりました。
国民の幸せや国の豊かさは生産量で測れるものではなく、国民一人ひとりの幸福度で測られるものだとの建国哲学を唱えたものです。

また、国王陛下ご自身が、王制を排し、国民主権の民主主義を導入することに成功した世界でも稀有な国でもあります。
今、日本では子供たちを取り巻く環境も悪くなって来ています。ある調査では、20カ国の中学生に、先生を尊敬していますか?との質問に対して、アメリカ、韓国、中国などでは 尊敬しているが80%以上だったのに対し、日本では先生を尊敬していると答えたのは21%、世界最下位だったそうです。
また、親を尊敬していますか?という質問に対しても日本以外の国では80%以上の子供が尊敬している、と答えているのに対し、日本は25%で、これも最下位だそうです。
なんとかわいそうな日本の子供たちでしょう。なんと日本は貧しく寂しい国になってしまったのでしょう。

今年8月にブータンを訪問し、若き第5代国王陛下に拝謁することができました。
陛下は、国民の幸せが自分の幸せであるとして、陛下としてのお仕事を遂行しておられます。
第5代国王陛下におなりになって、まず初めになさったことは、外遊することでなく、直接国民に会いたいと、国内をめぐり、学校も訪問されました。

そして、子供たちに、「何かあったら私が君たちを守るからね」とお声をかけられたそうです。
自分自身が愛されているという確信、感謝の気持ち、誰かを尊敬すること、そういった気持ちを持って、日々を暮らしているブータンの子供たちは幸せだなと感じました。
私も、学校を訪問いたしましたが、電気がついておらず少し薄暗い感じを受けた小さな教室でしたが子供たちは皆いきいきしていて、先生の言葉に熱心に耳を傾けていました。
授業は英語でなされていました。先生方も外国の大学で教育を受けておられるそうで、背筋がしっかりと伸び、笑顔の耐えない素敵な表情で子供たちを指導されていたのが印象的でした。
もちろん先生方の服装はジャージではなく民族衣装を着ておられ、品性のあるお顔をなさっていました。

また、例えば数学の教師の指導要綱の一ページ目には、君は数学を教えるために教壇に立つのではない、ブータンの将来を担う人間をつくるために教壇に立つのだ。
それを忘れるなと書かれているそうです。
ブータンでは教育者はまず教師自身がロールモデルとして人格者であることを要求されるようです。
ブータンの方たちは、好きな外国の第一番目に日本を挙げています。
海外に出向いたとき常々感じますが 皆様、日本の伝統文化、精神性の高さへの憧れが強く、賞賛していただきます。
武士道 わびさび も今ではインターナショナルな言葉になっています。

また工業、農業、その他の先進技術に対しても大きな評価を得ていて素晴らしい国だ、憧れの国だと賞賛していただきますが、現状を振り返りますと複雑な気持ちになってします。
何か大切なものを見失っているように思います。

そんな日本にとってブータンは物質面の豊かさこそありませんが、国としてのアイデンティテイが確立していて、人間にとって何が大切なのかを教えてくれる、お手本のような国だと思います。
北は中国、南はインドにはさまれ、政治的にも厳しい立地条件の国です。
また、インターネットなどを通じて、海外の情報がどんどん入り込んでいくことは必至です。
しかし、ブータンは、その知性と品性を持ち、賢明な選択をして国を発展させていくことと信じています。
戦後めざましい復興を果たした私たち日本の成功と失敗の経験を参考にして、これからも東洋の桃源郷シャングリラとして、国が繁栄していくことを願っています。

また、私は日本の方たちにブータンの素晴らしさをご案内することで、私たち日本が世界で評価されている勤勉さや有能さや優しさなど、日本人としての美徳を改めて取り戻し、子供たち一人一人が少しでも心が満たされ生活できるような国となるよう、お手伝いできればと願っています。
そして日本とブータン両国の素晴らしさを分かち合える関係になりますよう、務めて参ります。

本日お集まりいただきました皆様お一人お一人が、ブータン王国に少しでも関心を持っていただきそれぞれのお立場でそれぞれの形でよき理解者になっていただければ、こんなに嬉しいことはありません。
微力な私でございますがこれからも何卒よろしくご支援ご鞭撻いただきますようお願いいたしましてご挨拶とさせていただきます。